【2020年版】古物商許可証、個人がせどりを始める前に知っておきたい申請の流れ
Amazonのセラーアカウントも開設した。プライスターなどせどりツールも導入した。インターネットで情報武装もした。さあ、いよいよこれから店舗せどりでガンガン稼いでいくぞー!と意気込んでいるあなた。古物商許可証の申請は済ませていますか?
「え?何それ?そんな免許が必要なの?」と思いませんでしたか?私も、最初に思いました。しかもお役所がらみでなんか面倒くさそうだ、と。
しかし古物商許可証が無いと、中古品の取り扱いにおいて法律上のリスクを背負い続けることになります。面倒くさくても必要な手続きを踏んでおかねばなりません。そこで今回はその許可証について書いていきたいと思います。
せどりに古物商許可証は必要か?
最初はなんとなくハードルが高そうに感じる古物商許可証。本当に取得が必要なのでしょうか?結論から言います。中古品のせどりをやる場合、古物商許可証は「必須」です。なぜなら、「古物営業法」という法律で、古物販売を営む者は、都道府県ごとに公安委員会の許可を受けなければならない、と定められているからです(第三条)。
この法律には盗品の売買、窃盗その他の犯罪の防止と、盗まれた商品を本来の持ち主に速やかに戻すという目的があります(第一条)。だから中古品営業ではお上の許可制を取っているんですね。
ブックオフやハードオフ、セカストなどのリサイクルショップへ不用品の買取を依頼すると、必ず身分証の提示を求められますよね。あれも実は、買取側(リサイクルショップ)に法律に基づく確認義務があるからなんです(第十五条)。
一方でネットには「古物商許可証は無くてもOK」みたいな記述も見かけます。ブックオフやハードオフで買取の際、すでに本人確認が行われているから、仕入れた商品が盗品である可能性は低い。というのが根拠の一つです。
また、古物商許可証がないからという理由で警察に逮捕されるようなことも現実にはありません。許可証が無くてもAmazon販売が可能です。
しかしここで安直に「じゃあ、やっぱり古物商許可証はいらないよね。」ということにはなりません。万一のリスクを考えて、ルールに則った手順を踏む必要があります。許可証が無かった場合のリスクについては後述します。
古物商許可証、申請の流れ
では古物商許可証の申請の流れを見ていきましょう。大まかに言うと以下の通りです。
- 申請に必要な書類を揃える
- 管轄の警察署窓口へ書類を提出しに行く
- 警察署へ許可証を受け取りに行く
それぞれについて述べていきます。
1. 申請に必要な書類を揃える
提出する書類が多いため、この書類手続きが最も面倒に感じてしまうところです。内容を理解して進めれば、書類の中身自体はそれほど難しいものではありません。詳細については次章で詳述します。
2. 管轄の警察署窓口へ書類を提出しに行く
書類を揃えたら、それを営業所のある場所(大抵は自宅だと思いますが)を管轄する警察署の窓口へ提出しに行きます。訪問の際には警察署に電話をしてアポイントを取りましょう。訪問日の当日でOKです。私は申請時にアポなしで行きましたが、ちゃんと事前に連絡を入れるよう担当のお巡りさんから言われました。許可証を受け取りに行く際も同様です。
書類を提出すると、その場で内容をチェックされます。不備があると突き返され、受理されませんので気を付けましょう。
内容がOKであれば、申請手数料である19,000円の印紙を署内の窓口で購入し、書類提出となります。現金を持っていくのを忘れないようにしましょう。また、書類の訂正などその場でできるよう、申請書類に使用したのと同じ印鑑も持っていくようにしましょう。
3. 警察署へ許可証を受け取りに行く
書類提出から40日ほどで許可証が出来上がります。許可証ができると警察署から許可証を署へ取りに来るよう携帯に連絡が入ります。受け取りに行く日が決まれば、訪問の当日、これから訪問します、というアポイント電話を入れます。受け取りには印鑑が必要です。忘れず持参しましょう。
実際に受け取った許可証は、写真のような11cm x 7cmサイズのものでした。
古物商許可証に必要な書類(大阪府の場合)
古物商許可証は上述したとおり、自分の住んでいる都道府県の公安委員会から許可を受ける必要があります。私は大阪府在住ですので、大阪を例にとって説明していきます。実際の申請にあたっては、自分の住んでいる都道府県警察のHPもしくは管轄の警察署へ確認するようにしてください。
大阪府警のHPを見ると、必要書類の一覧表が掲載されています。個人と法人の場合がありますが、ここでは個人で申請をするケースについて見ていきます。
- 古物商許可申請書(指定書式その1~その4)
- 住民票
- 市区町村発行の身分証明書
- 誓約書
- 略歴書
- URL使用権限 疎明資料
- その他の添付書類(営業所の地図、営業所の間取り図、登記簿謄本)
図1:大阪府の申請書類(抜粋)
1. 古物商許可申請書(指定書式その1~4)
書式の太枠内を記載していきます。インターネットで自分のHPを作成せず、Amazonで転売をするだけの場合は、インターネットホームページを「用いない」にします。
2. 住民票
「本籍地の記載があるもの」で「個人番号」の記載が無いもの、と指定されています。住民票は役所の窓口へ行って受け取りをします。もしマイナンバーカードを持っていれば、コンビニで発行、受け取りができます。
マイナンバーカードを持っていなければ、古物商の件で役所へ住民票を取りに行ったついでに申請しておくことをお勧めします。申請はその場で出来ますが、マイナンバーカードの受け取りまでは1か月ほどかかります。マイナンバーカードを取得しておけば、自分で確定申告をする場合にもオンラインでの申告が可能となります。
3. 市区町村発行の身分証明書
「身分証明書」と聞くと、免許証や健康保険証を思い浮かべますが、ここでいう身分証明書は、それとはまったく別物です。自分自身が破産宣告を受けていない、心神喪失、精神障害がない、ということを証明する書類です。これは本籍地のある市役所に請求をして入手します。本籍地が遠方にある場合、郵送で依頼、書類を返送してもらえますので、自分の本籍地のある役所のHP等で確認してみましょう。
なお、私は最初に警察署へ書類を提出しに行ったとき、身分証明書として運転免許証のコピーを持っていってしまいました。そのため担当の警察官に「あーあ」という顔をされ、見事に書類を突き返されました。ちゃんと確認をしないと、こういうイージーミスを犯します。気を付けましょう。
4. 誓約書
古物営業法の第四条に記載されている事項(過去に犯罪を犯した、暴力団の一員である等)に、該当していないことを誓約する書面です。
5. 略歴書
簡易の履歴書のようなものです。過去5年間について記載します。
6. URL使用権限 疎明資料
自分でHPを作って中古商品を販売する場合に記載が必要です。HPを作らず、Amazonで転売をするだけなら、疎明資料は不要です。
7. その他の添付書類(営業所の地図、営業所の間取り図、登記簿謄本)
この辺りの添付書類は、申請を実施する地域の警察署によって異なってくると思います。ですから必要な添付書類については、必ず管轄の警察署に連絡をして事前に確認しておきましょう。
大阪府での申請の場合は、営業所の場所を示す地図と営業所の間取り図、それに登記簿謄本を提出しました。(私は分譲マンションに住んでいるため。)登記簿謄本は法務局にオンラインで申請し、郵送で入手することが可能です。
ちなみに賃貸マンションに住んでいる場合は、登記簿謄本ではなく「使用承諾書」の提出を求められます。これは大家さんやマンションの管理会社から、自宅スペースを営業所として使用することを承認してもらうための書類です。賃貸マンションは通常、居住を目的として貸借されており、営利目的での利用はその範疇外だからです。
営業所の場所を示す地図と間取り図は手書きでもOKと担当のお巡りさんに言われました。手書きは逆に大変なので、地図はGoogle Mapのスクショを、間取り図はエクセルで作成。両方を印刷して提出したところ、正式に受理されました。
大阪府の場合は上記2,3と添付書類を除き、大阪府警のHPでダウンロードができます。
申請作業の外注化という手もある
警察署の窓口は、もちろん平日の昼間しか開いていません。「平日は本業の仕事が忙しくて、書類を準備したり警察署に行ってる時間がないよ!」という人のために、申請書類の準備から記載、提出までを丸投げで代行してくれる行政書士のサービスがあります。ネットで調べる限り、手数料の相場は大阪で40,000円(税別)前後のようです。忙しすぎて時間が取れない場合、こうしたサービスの利用も検討してみると良いでしょう。
古物商許可証を持っていなかったらどうなるのか?(仮に盗品を売買してしまったら?)
可能性が低いとはいえ、もしも知らずに盗品を売買してしまった。後日、警察がその件を追ってあなたの所へ事情聴取にやってきたとします。古物商許可証を持っていなかったら、そこであなたが許可証を持っていないことが判明します。これは古物営業法違反、「無許可営業」に当たります。懲役3年以下または100万円以下の罰金もしくはその両方、という最悪の事態に陥ることも考えられます。
副業でせどりをやっているのに、法律違反で牢屋に入るか罰金を支払えと言われたら、全く割に合いませんよね?そういったリスクをなくし、堂々とビジネスをするためにも、古物商許可証は取得しておきましょう。
ちなみに私の友人は20代の頃、夏休みの帰省中に一週間ほど自宅を留守にした隙を空き巣に狙われ、家財道具一式を盗まれました。そしてPCやTVなど、所持品の一部が近所の個人経営のリサイクルショップに売りさばかれ、店頭で販売されていたそうです。まあ、20年近くも昔の話ですけど。個人経営のお店では、今でも本人確認をそこそこに買取実施することがあるかもしれません。
古物商許可証を持っていると良いこと
ネガティブな話を書きすぎました。逆に古物商許可証を持っていれば良いことがあります。それは、「買い手に対して信頼感を与えられる」ということです。よくAmazonのセラーの中には屋号の一部に「古物商許可証番号xxxxx」と記載をしている方を見かけます。これは買い手から見た時に、「許可証を持っている」ということが「持っていない」者と比べた際の信頼感につながるからです。
屋号に許可証番号を記載しなくとも、屋号をクリックすればセラー情報が表示され、そこに許可証番号が表示されます。
この許可証番号はセラーセントラルの右上「設定」→「出品用アカウント情報」→「出品者情報」の「許認可情報」で入力できます。
許可証が取得出来たら、ここに自分の許可証番号を記載しましょう。
まとめ (古物商許可証申請の流れ)
今回の記事の内容をまとめます。
- せどりをするのに古物商許可証は必須
- 古物商許可証は持っていないと無許可営業のリスクを背負うが、持っていると買い手に信頼感を与えることができる
- 申請書類の提出は管轄の警察署で行う
- 必要な添付書類は都市によって異なる。自分が住む都道府県警のHPや管轄の警察署へ事前に必ず確認しておこう
- 申請から交付まで40日かかる。手続きは早めに開始しよう
- 忙しくて時間が無い場合、行政書士に手続きを代行してもらう方法もある(手数料は別途)
お役所、とりわけ警察署での手続きと聞くと、高圧的な対応をされそうだなと、偏見を持ってしまいがちです。私がそうでした。しかし実際に窓口へ出向いてみると、担当の警察官は若い方で、物腰も普通でした。書類の不備や必要書類についても丁寧に教えてくれました。
書類の準備も含めて手続きには時間がかかります。早く商売を始めたいのなら、許可証申請は早めに動いていきましょう。
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